慢慢走 Walking Slowly

好きなことを、好きなように、ゆっくり綴る。

《映画》バーフバリ 王の凱旋

巷で話題沸騰の「バーフバリ 王の凱旋」。気になってついに見てきました。

baahubali-movie.com


この作品は「バーフバリ 伝説誕生」の続編なので、本来であればそちらを先に鑑賞すべきでしたが、時間的都合で叶わず。本編前に前作のあらすじダイジェスト映像が流れるので、それである程度流れは把握できますが、前作見てからの方が絶対楽しめたなぁ、というのが見終えた正直な感想。

それでも!この映画の壮大なストーリー、圧倒的な美しさとスケールで迫ってくる映像、想像をはるかに超えた豪快なアクションシーンに十分楽しませていただきました。
(以下、ネタバレ含むかも?な感想です)


「そんな攻撃方法アリ?!」「そんな移動方法アリ?!」などなど、「そんなのアリ⁈」という度肝を抜かれるシーン続出で、言ってしまえばそれは過剰演出なのかもしれないけれど、映画の力で行けるところまで行く、それでこそ映画なのだ!というインド映画のとんでもない自由かつ豊潤なポテンシャルを思い知らされました。

なんといっても、登場人物が個性的で魅力的。それは善人・悪人問わず。
主人公のバーフバリが最高級のスーパーヒーローなのは言うまでもなく、ヒロインであるデーヴァセーナやアヴァンティカの美しさと強さと気高さも素晴らしいし、忠臣カッタッパの信頼感とお茶目さ、そしてその後の深い苦悩と悲しみと後悔という落差は、見るものの胸をかきむしり涙させます。
一方で憎むべき敵であるバラーラデーヴァやその父ビッジャラデーヴァの抱く過去の心の傷には思わず同情してしまう余地もあり、なぜ悪に転落してしまったのかと悲しみを覚えてしまいました。
カッタッパがバーフバリを暗殺した直後、バラーラデーヴァが現れて、既に息絶えているバーフバリの体を更に斬りつけながら、暗殺は自分の陰謀なのだと告白するシーン、そして、バーフバリの息子マヘンドラと対峙したときに、バーフバリを自分の手で殺せなかった悔しさを今お前を相手に晴らすことができる!と語るシーン。バラーラデーヴァのバーフバリに対する憎悪とコンプレックスを改めて思い知らされ、その恐怖で背筋がゾクッとなりながらも、彼の人生の悲しさに切なくもなります。
弟に対する憎悪とコンプレックスは、父ビッジャラデーヴァも経験したことであり、親子2代に渡る因果とその業の深さを思わせます。
国母シヴァガミの、息子を愛するが故に道を誤っていく姿もただただ悲しい。そんな母を最期まで心配し愛し抜くバーフバリの姿に涙腺崩壊。

正義、忠誠、愛憎、等々といった、人間の善も悪もひっくるめた生々しい感情をありのままにさらけ出すその描写に、人々は強く心を惹かれ、胸を打たれ、感動するのではないか、と思いました。
そして、2度、3度と鑑賞を重ねることで、より深く登場人物の心理描写が理解でき、リピーターを生み、大ヒットにつながったのでしょう。

6月より今作品の完全版の公開が決まり、これまで公開されているインターナショナル版141分よりも26分長い167分だそうです。
追加シーンでは、デーヴァセーナが歌って踊るシーンがあるそうなので、ますます賑やかで祝祭要素の強い作品として感じることができそうですね。
私もぜひ、完全版でもう一度鑑賞したいと思っています!
あ、でもその前に「バーフバリ 伝説誕生」を見ておきます。その方がきっと、何倍も楽しめるはずですね!