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《映画》「SPL 狼たちの処刑台」

9/1公開の映画「SPL 狼たちの処刑台」(原題:殺破狼:貪狼)を公開初日に見てきました。

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spl-movie.jp

この映画は、香港と中国の合作で、昨年夏に中国、香港、台湾で公開。そして今年の香港電影金像奨(香港のアカデミー賞)で9部門にノミネート、主演男優賞、アクション設計賞、音響効果賞の3部門を獲得、と高い評価を受けた作品。

この映画で主演男優賞を獲得したのが、ルイス・クー(古天樂)。タイで行方不明になった娘を探す父役を熱演、敵役とのバトルシーンは鬼気迫るものがありました。
日本の宣伝では、トニー・ジャーも主演の一人のような扱いになっていますが、特別出演です。なので、あまりトニー・ジャーに期待してしまうとがっかりしてしまうかも。でも、短い出演シーンでもそのアクションの素晴らしさは十分堪能させてくれる、さすがトニー・ジャーです。
日本での知名度が低いために宣伝でも邪険な扱いをされ気味なウー・ユエ(吳樾)が、ルイス・クーのバディ的役割を果たし、その存在感を見せつけます。武術の選手として活躍した経歴の持ち主だけあり、素晴らしいアクションでした。次世代を担うアクションスターとして注目されているそうですから、今後の出演作にも期待大。
ラム・カートン(林家棟)は、タイ人の役でタイ語がんばってました!無感情に淡々と物事を進める姿に背筋がゾクリとする恐ろしさと狂気を感じさせる演技、お見事でした。
アクション監督はサモ・ハン・キンポー。ハラハラドキドキさせる息をつかせぬアクションシーンは最高でした。

SPLは実はシリーズというか、それぞれに話の繋がりはないのですがこれまでに「SPL/狼よ静かに死ね」(原題:殺破狼)、「ドラゴン×マッハ!」(原題:殺破狼2)が製作され、今回が第三弾。1作目と3作目はウィルソン・イップ(葉偉信)が監督しており、その1作目の救いのない悲劇路線に戻ったな、という感じです。ちなみに2作目はソイ・チェン(鄭保瑞)が監督していて、いい意味で一般受けするというか、キャッチ―な作風になっていました。

見終えた後にどんよりとした重苦しい気持ちにはなりますが、一筋の希望が描かれているのが救いです。容赦ない香港ノワールアクションの世界にぜひどっぷり浸ってみてください。

 


映画『SPL 狼たちの処刑台』予告編