風間杜夫が演じる、社会に翻弄された男の夢と挫折『セールスマンの死』公開舞台稽古レポート 執筆しました
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名作戯曲を長塚圭史さんが真摯に丁寧に演出していて素晴らしい舞台です。キャストの皆様それぞれとってもよかったんですが、中でもクライマックスシーンでの、風間杜夫さんと山内圭哉さんの演技には心を揺さぶられました。父を思う気持ちと、子を思う気持ちのすれ違い。家族だから人一倍愛おしく、人一倍憎らしい。時代を問わない普遍的なお話です。
個人的には、十数年前のライター時代にインタビューした加藤啓さんが、そのとき(ちなみに2003年にパルコ劇場で上演された『ウィー・トーマス』)と同じく長塚圭史さん演出の舞台にご出演されていて、あのころからずっと変わらぬ加藤さんと長塚さんの信頼関係を感じました。舞台上でその信頼に見事に応えている加藤さんの演技、ここ近年ますますぐっと深みのあるいい俳優さんになってきているな、と心から嬉しかったです。
初めて加藤啓さんを舞台で拝見したのは1996年、加藤さんの所属する劇団「拙者ムニエル」の公演でした。まだ学生だった加藤さんたちが繰り広げる得体のしれないパワーに満ち満ちた舞台と出会い、あのとき早稲田銅鑼魔館の急勾配の客席で死ぬほど笑い転げた私は、以降の拙者ムニエル公演はほぼ全部観劇するくらいハマりました。そんな自分の延長線上に今の自分の仕事があるわけで、不思議なめぐりあわせであり、幸せなことだと思っています。
またいずれ、お仕事で加藤さんとお会いできたらいいな。