慢慢走 Walking Slowly

好きなことを、好きなように、ゆっくり綴る。

《舞台》「レイディアンス」

アボリジニ現代戯曲連続上演 第4弾
「レイディアンス」
作:ルイス・ナウラ 翻訳:佐和田敬司 演出:和田喜夫
出演:戸谷友/桜井ひとみ/伊地知ナナコ
1/28(金)~2/1(火) 麻布die pratze

 アボリジニの三人姉妹の物語。
母親が死んで、葬式のために久々に再会した三人の会話から見えてくる様々な事情、事実、想い。
想像していたほどアボリジニというテーマを表には出しておらず、むしろ彼女たちは普遍的なことで笑い、泣き、怒る。そんな彼女たちがアボリジニであるがゆえの嘆きや苦しみを口にするとき、私たちと変わらない人間である彼女たちがなぜそんな思いを抱かなければならないのか、理不尽さをより強く感じることができる。よくできた戯曲だと思った。

役者3人は、芝居によくはまっていたと思う。日本人役者がアボリジニを演じることについての違和感はまったくなかった。
戸谷さんの中性的で清潔な存在感、桜井さんの母性あふれるあたたかさ、伊地知さんの明るく奔放でありながら時々見せる色っぽさ、それぞれの個性がよく出ていた。