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《音楽》蘇打綠 sodagreen「再遇見」

「歌詞が秀逸な楽曲」と言えば一番最初に思い浮かぶのがこれ。
台湾のバンド、蘇打綠(ソーダグリーン)の「再遇見」。

 


蘇打綠 sodagreen -【再遇見】Official Music Video

 

「再遇見」とは、再び出会う、という意味。
このタイトルだけ見ると、再会できたという喜びの歌かな?と思いますよね。
でも、メロディーを聞くと、どこか物憂げで切なげ。
これはただの再会を歌った曲ではない……そんな予感がして歌詞を読んでみたのですが、中国語初心者の私にはいまいち意味がわからず。
しかも、作詞を担当したのはボーカルの吳青峰なんですが、彼の歌詞は漢詩の引用があったり、古い言い回しを使ったりと、文学的要素が多いため、とても難しいのです。
それで、中国語の先生に解説をしてもらってこの歌詞の内容がわかったとき、とても衝撃を受けました。
端的に言えば【かつて自分を傷つけた人ともう二度と会うこともないだろうと思っていたのに再会してしまった】という歌です。
この歌の主人公は、おそらく望んでいなかった思いがけない再会で、過去のつらい出来事を思い出してしまいます。でも、それはすべて過ぎ去ったこと。自分はもう前へ進んであの頃のことからはすっかり遠ざかった。でも君は何も変わらず、あの頃のままだね、なんだかかわいそうに思える。……とこのあたりは相手より自分が先に行っていると思うことで優越感に浸っている人間の生々しさが滲んでいて、リアルだなぁと心がゾクゾクします。
でもここで曲が終わっていたら、なんだただの強がりソングか?と思ってしまうところでしたが、この曲のラストがすごいのです。

 ふと 君が僕を傷つけたことすべてに対して
 ありがとうと言いたい と思った
 この再会に感謝する (注:私独自の意訳です)

うまくいかないことの連続で、自分を嘆いたり、誰かのせいにしたり、怒ったり、憎んだり……そんなこと、私にもよくあります。
でも、この歌詞を思い出すと、心が落ち着きます。
そうだ、情けなくたっていいんだ、人間だもの。
でもそれを認めた上で飲み込んで、この状況に感謝しなければならない。
うまくいかない状況を作ってくれてありがとう。
私はこの状況を乗り切るために、前に進み、成長する。

私を苦しめるものに構っている暇はない。
私は負の感情一切を後ろに投げ捨てて、前進する。
そしていつか笑おう。
あの苦しみのおかげでここまで来ることができたよ、ありがとう、って。

こんな風に思わせてくれる青峰の歌詞に感謝。
この歌詞は、本当に傷ついた人、そして本当にそれを乗り越えて前に進んでいる人にしか書けないと思います。
そんな蘇打綠の楽曲との出会いは、私の人生において大きな宝物です。
素晴らしい歌詞を書く青峰ですが、その歌声も絶品で、これぞまさに天賦の才、という魅力に溢れています。
ぜひ聴いてみてください!