椿組09年夏・花園神社野外劇 「新宿ジャカジャカ」~その日、ギターは武器になったのか?~
椿組09年夏・花園神社野外劇
「新宿ジャカジャカ」~その日、ギターは武器になったのか?~
7月11日(土)~21日(火)夜7時開演
作・演出:中島淳彦
出演:春風亭昇太/山田まりや/草野徹(壱組印)/浅野雅博(文学座)/福島まり子/恒松敦巳/田渕正博/木下藤次郎/井上カオリ/長嶺安奈/風間水希/渡辺由紀子(劇団ハートランド)/伊藤新(ダミアン)/平塚真介/前田こうしん(劇団道学先生)/海堂亙(劇団道学先生)/李峰仙/和泉歩/岡村多加江/浜野まどか/植木りなこ/内山奈々(チャリT企画)/塚本淳也/寺井文孝/鈴木幸二/鳥越勇作/宮本翔太/趙徳安/唄奴(歌手2人組)/園田容子(アコーディオン)/辻親八/外波山文明
新宿の花園神社の境内に特設されたステージでの野外公演。
久しぶりに花園神社の野外劇を見たが、夏だなぁ、という雰囲気の中で見るお芝居はまた格別。
中島さんの作・演出はやっぱり素敵で、にぎやかに華やかに展開する舞台だが、
最後のシーンではぐっと胸に迫るものがあった。
※以下、ネタばれあり※
1969年、新宿駅西口地下広場に突如として現れた「フォークゲリラ」。
フォークギターを抱え、フォークソングを歌いながら、反戦を訴えた。
やがて機動隊が動員され、弾圧されてしまう。
「歌で世の中を変えようなんて、青臭いよ」
というセリフが出てくるし、冷静に考えると確かにそう思える。
しかし、何の行動も起こさない者よりも、何らかの形で行動を起こそうとした彼らの姿勢は評価されていいんじゃないかな、と思えてくる。
最後のシーンでみんなが合唱する「勝利を我等に(We shall overcome)」。
歌で世界が変わるかどうか、私にはよくわからない。
変わらないのかもしれない。
でも、みんなが心を一つにして、【同じ歌を歌う=同じ願いを口にする】ことで、何かが生まれるんじゃないかな、という気がした。
40年前の青年達と、現代に生きる私たち。
過去と現在と未来は、ひとつにつながっていることを忘れちゃいけない。
登場人物が多いけれど、それぞれの人物に、それぞれのバックボーンがあることが伝わってくる。
作者の中島さんの、登場人物への愛情を感じることができる。
各々のエピソードがどうしても少しずつになってしまうので、もっと彼らのことを知りたいな、と思った。
それくらい、人物の描き方が魅力的ということだと思う。
幕開き前と劇中で流れるフォークソングが耳と心に残る。
「友よ」「自衛隊に入ろう」「橋を作ったのはこの俺だ」「かごの鳥ブルース」「主婦(かあちゃん)のブルース」などなど・・・。
フォークソングって、こんなに主義主張がはっきりしたメッセージ性の強いものだったんだなぁ、と再認識。
高石友也、岡林信康、高田渡などをしっかり聞いてみたいな、と思った。