《舞台》劇団、本谷有希子「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
劇団、本谷有希子「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
作・演出:本谷有希子
出演:伊達暁(阿佐ヶ谷スパイダース)、森尾舞(俳優座)、吉本菜穂子、菅原永二(猫のホテル)、鳥海愛子、本谷有希子
「松尾スズキ チルドレン」と呼ばれてるらしい、本谷有希子さん。
ドロドロとした人間模様が、冷静な視点で描かれる。
しつこすぎず、かといってさっぱりすぎない後味で、私は好み。
脚本も、題材としてはさほど目新しさのないストーリーながら、よく描きこまれていたと思う。
多分、本谷さんって筆の力がある人なんじゃないかな。
普通の人が書いたら、もっと奇をてらったり意外性を狙いすぎて気持ち悪い作品になっちゃってると思うから。
役者はいずれも達者。
特に、吉本さんは素敵な役者さんだと思う。この舞台を魅力的なものにしたのも、吉本さんの力に因るところが大きいんじゃないかなぁ。
伊達さんは以前から好きな役者さん。暴力的で、でも時々見せる可愛さがとても魅力的。人間が本心をさらけ出した瞬間ってとってもいとおしいなぁ、なんて思いながら伊達さんを惚れ惚れ見てしまったり。
菅原さんは飛び道具としてオタクな高校生役をさらりと熱演。なんでこの人はこんなに面白いんだろう~。クセになるキャラの持ち主。
森尾さん、新劇・俳優座の女優さんとは思えない体当たりの演技にびっくり。綺麗な見た目に、迫力の演技でとても印象に残る方。これからも小劇場にガンガン出て欲しいな。