《舞台》拙者ムニエル「バカが見る夢すごい夢」
昨日は、拙者ムニエルの舞台を見た。
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今年で遂に10周年を迎えた同劇団。
私が初めてこの劇団の舞台を見たのが1996年。
もうかれこれ8年の付き合いかー、とこちらもしみじみ。
今回は、拙者ムニエルメンバー+客演に小手伸也を向かえ、98年~99年頃のムニエル公演を思い出させるような。これに池田鉄洋が加われば完璧!とは贅沢なファン心理か。
<以下、ネタばれあり>
あらすじは、30歳になってもまだ夢を追い続けている男「ニシ」(加藤啓)を中心に、隣の青山劇場で行われている「ウェストサイドストーリー」をネタに、トップアイドル・ヒガシ(小手伸也)の苦悩や、かつてはトップ女優だったが今は落ちぶれてしまった女優(澤田育子)、ニシのバイト先・デニーズの使えないバイト仲間(千代田信一、市川訓睦、成田さほ子)などなど、夢を叶えるために悪戦苦闘する「バカ」な大人たちの群像劇風な、ハチャメチャコメディ。
30代になってもまだ夢を追い続けている=拙者ムニエルメンバー、ということなんじゃないかな、と想像しながら見る。いい加減に現実を見ろ!と言われても、夢を見続ける。俺たちってバカだよなぁ。でも、バカが見る夢って、すごいよなぁ。といったメッセージが乗せられていたように思える。
10年劇団を続けるってすごいことと思う。始めた当初は学生だったけど、10年経った今、就職した同期は会社で堅実に働いていたり、結婚して子供もいたりして。それでも、芝居を続ける「芝居バカ」たちの見る、すごい夢。
私は8年もの間、観客という立場から彼らの「夢」を見続けてきたんだなぁ・・・。
役者は、加藤啓さんの存在感が圧倒的だけど、笑いの部分に関しては完全に小手さんの一人勝ち。おもしろすぎます。小手さん、ムニエルのレギュラーになってくれないかなぁ・・・。
隣の劇場でやってる芝居をネタに芝居を一本書き上げてしまう村上大樹さんの筆の力に感服。「ウエストサイドストーリー」=「ニシの物語」、少年隊のメンバーを「ヒガシ・ミナミ・キタ」という設定にして、ニシを「第4のメンバーになれなかった男」と持ってくる発想力、お見事。あと、ウエストサイドストーリーの指パッチンを、そのまま少年隊のヒット曲「君だけに」のイントロの指パッチンへとつなげていったのもかなり笑えた。