慢慢走 Walking Slowly

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《舞台》金森穣「no・mad・ic project」

金森穣「no・mad・ic project(ノマディック・プロジェクト)」を、アートスフィアにて鑑賞。

17歳で渡欧、モーリス・ベジャールらに師事し、イリ・キリアン率いるネザーランド・ダンス・シアター(NDT)に入団。(余談だが、昨年9月~10月にかけて、彩の国さいたま芸術劇場では、「彩の国キリアン・プロジェクト」を企画。NDTも来日し、公演を行った。)ヨーロッパで活動をしてきたコンテンポラリーダンスの新鋭振付家、金森を見るのは初めて。海外で鍛え抜かれ、評判高い振付家でありダンサーだと聞いていたので、始まる前から期待は高まるばかりだった。
開演ギリギリに劇場へ駆け込むと、人もまばらなロビーでは、ダンサーたちが妖しくうごめいていた。普通に早めに席に着いていたら見られなかったのかな?と少し得した気分。ダンサーたちは舞台へと移動し、幕の下りたままの舞台上で動き始める。開演前の開かない幕と、ゆっくりふんわり、戯れる。開演前の空気を楽しむかのように。そして幕は、ダンサーたちの手によってゆっくりと上げられる。開演。
舞台は3部構成で、3作品・3作品・2作品、の連作で見せた。めまぐるしく動くダンサー。次から次へと提示される場面。動きから発せられる言葉。感情。熱情。人間の体や動くの美しさに気づかされて、なんだか嬉しくなる。人って、美しい生き物なのね。特に金森穣の美しさにはただただ見惚れるばかり。人って、こんなに美しく表現をできるもんなんだなぁ、と感心しきり。それはきっと、金森のダンサーとしての才能と、振付家としての才能が結実した形なのだなぁ、と思う。コンテンポラリー・ダンス鑑賞歴はまだまだ浅い私だけれど、とても気になるジャンルになりつつある。